「本当に訪問してくれたの？」──記録と現実が食い違うときに

 

在宅医療サービスでは、ご利用者宅へのスタッフ訪問記録が「30分」となっていても、実際には早退や立ち寄り先があるケースも少なくありません。GPSやシステム上の記録だけではキャッチしきれない“実態のズレ”を、探偵による尾行調査と映像による行動記録で正確に把握し、証拠をもとに教育・評価・説明に活用する方法を紹介します。第三者の視点で訪問ケアの実態を可視化することで、ご家族や利用者からの信頼を守り、スタッフの公正な評価と在宅医療の質向上に貢献する実例です。

 

【この記事は下記の方に向けた内容です】 在宅医療サービス会社の管理者・運営責任者 訪問スタッフの勤務実態に懸念がある方 虚偽報告があった際に証拠が必要な方

 

 

安心できる在宅医療の鍵は「行動の可視化」にあり

• 「予定通り訪問してるはず…でも、なぜか苦情が増えている？」
• 訪問サービスの実態が見えないと、どんな問題が起きるのか？
• 記録だけでは見えない“現場の実態”、まずは自分でできる確認方法とは？
• 記録だけでは守れない、在宅ケアの信頼を支える“第三者調査”の強みとは？
• 利用者とその家族の信頼を守るには、“記録”よりも“実態”の確認がカギ

「予定通り訪問してるはず…でも、なぜか苦情が増えている？」

 

ご家族からの繰り返される指摘、現場記録ではわからない“何か”に不安を感じた

私が管理している在宅医療サービスでは、複数の高齢者宅へ看取り支援や日常ケアを行うスタッフを派遣しています。GPS連動の業務記録アプリを導入し、スタッフには「訪問完了」と「滞在時間」の報告義務を徹底しています。ある日、80代女性の利用者のご家族から「このところ、30分の訪問予定なのに15分くらいで帰っているようだ」と指摘を受けました。調べてみると、他にも似たような声が複数のご家庭から寄せられていたのです。スタッフの報告には問題は見当たりませんが、ご家族が感じる違和感や、スタッフの帰社タイミングを見ていると、どこか実態と記録が合っていないような気がしてなりませんでした。現場を巡回するには限界があり、実際にどのような訪問が行われているのか、どうしても第三者の目が必要だと感じました。社内の信頼性を守るためにも、事実をはっきりさせる必要があると考え、外部の調査専門家に依頼する決意を固めたのです。

 

訪問サービスの実態が見えないと、どんな問題が起きるのか？

スタッフの記録と実際の行動にズレがあると起きるトラブルとは

在宅医療の現場では、訪問時間やケア内容をシステム上で記録するのが一般的ですが、その記録と実際の行動が一致していなかった場合、深刻な信頼トラブルに発展します。たとえば、「30分訪問」の報告があっても、実際には15分で訪問先を離れていた場合、ご家族は「サービスを誤魔化している」と不信を抱くでしょう。また、利用者本人が認知症などの事情で時間感覚が曖昧な場合でも、家族や地域の目からは行動の整合性を問われることになります。さらに、他利用者への訪問を優先して予定より早く切り上げる、あるいは私的な用事で時間調整をしているケースがあると、それは業務怠慢と見なされ、報告内容そのものの信用を失うことになります。このようなズレが放置されると、利用者家族からのクレーム増加、行政からの指導、そして最悪の場合、サービス契約の解除につながるリスクが生じるのです。

 

 

訪問の実態を放置することで広がるリスクとは

訪問ケアの実態把握を怠ったまま業務を継続していると、事業全体の運営リスクが次第に拡大していきます。最も大きな問題は、ご家族や地域社会からの信頼を失うことです。「何をされているか分からない」「ちゃんと見てくれているのか心配」といった声が広がると、利用者の紹介や継続利用にブレーキがかかります。また、虚偽報告や怠慢行動が常態化すると、スタッフ内でのモラル低下や風紀の乱れが生じ、職場環境の悪化にもつながりかねません。さらに、法的に問題となるケースでは、介護報酬の返還命令や行政処分といった厳しい制裁が下される可能性もあります。訪問サービスは利用者の生活と健康を支える重要な役割を担うからこそ、記録だけに頼らず、その裏付けとなる実態を常に可視化することが、長期的なサービスの安定と信頼の確保につながるのです。

 

記録だけでは見えない“現場の実態”、まずは自分でできる確認方法とは？

 

訪問スタッフの行動に不審を感じたとき、まず自社でできる証拠収集として有効なのはGPSログと訪問記録の照合です。業務アプリや訪問システムのデータから、訪問予定時間・到着時刻・滞在時間の情報を抽出し、不審な短時間訪問や訪問抜けがないかを確認します。さらに、利用者やそのご家族からの聞き取り調査を実施し、対応の丁寧さや実施内容の実感値をヒアリングすることも重要です。また、スタッフの直行直帰や早退が頻発していないか、勤怠システムと移動履歴の整合性をチェックすることで、隠れた勤務不正の兆候を探ることが可能です。もし複数の訪問先で同様の疑いが出ている場合は、内部アンケートや定期面談を通じてスタッフ全体の意識確認を行い、改善点を洗い出すきっかけにもつながります。これらの手段は比較的短期間で行える初期対応として有効ですが、状況の深刻度によっては、外部の専門調査に切り替える判断も必要です。

 

個人でできる対策

• 訪問履歴とGPSログの照合：訪問記録システムとGPSログを比較し、実際の訪問時間やルートに不自然な点がないかをチェックします。予定より早く切り上げていたり、訪問先に立ち寄らずに別の場所で滞留していた形跡があれば、注意が必要です。
• 利用者・ご家族への聞き取り：訪問スタッフの対応について、利用者本人やご家族から直接ヒアリングを行い、記録された内容と実感との乖離がないかを確認します。「早く帰っていた気がする」「雑な対応だった」などの声は重要な初期兆候となります。
• 勤怠システムとの照合：スタッフの出退勤記録と訪問スケジュールを照合し、不自然な早退や長時間の空白、訪問予定数と勤務時間のバランスなどを確認します。勤怠情報にズレがあれば、勤務実態に問題がある可能性が高まります。
• 定期的な同行訪問：運営側が同行訪問を実施し、現場での対応を直接観察することで、報告と実態の差異を把握できます。同行中の振る舞いや訪問先での滞在時間を確認することで、普段の行動パターンを評価する参考にもなります。
• 内部アンケートや意識調査：スタッフ全員を対象に匿名アンケートを行い、訪問業務に対する認識や問題意識を調査します。勤務実態に関する声や、職場内での不満・行動の偏りなどを早期に把握することで、モラル低下の兆候を事前に察知できます。

 

 

自己解決のリスク

社内で解決しようと試みること自体は前向きな取り組みですが、訪問サービスの実態を正確に把握するには限界があります。特に、スタッフが意図的に記録を操作している場合や、現場の行動に問題があるにもかかわらず報告上は正常に見える場合、内部だけでの調査では客観的証拠が得られず、事実確認が困難になります。また、社員や関係者への聞き取り調査を不用意に行うと、逆に「疑われている」と感じさせてしまい、職場環境の悪化や情報隠蔽に繋がる恐れもあります。さらに、調査の遅れによって、時間経過とともにGPS記録や業務データが自動削除され、証拠が失われるケースもあります。こうした自己解決の限界やリスクを見極めたうえで、証拠性のある記録が必要な場面では、専門調査機関による対応に切り替えることが、結果的に早期解決と信頼回復への近道になります。

記録だけでは守れない、在宅ケアの信頼を支える“第三者調査”の強みとは？

在宅医療サービスにおいて、訪問スタッフの行動やサービスの質を管理するには、業務記録やGPSログに頼るだけでは限界があります。特に、報告内容と現場の実態が食い違っていたり、複数のご家庭から「時間通り来ていない」「ケアが雑」といった声が上がるような場合、企業の信頼を守るためには客観的な証拠に基づいた事実確認が不可欠です。そこで有効なのが、第三者による探偵調査です。探偵は対象スタッフの訪問ルートや行動を非接触で追跡し、訪問時間の実態、立ち寄り場所、ケアの有無を映像や写真で記録します。これにより、報告上は「30分訪問」となっていても、実際には15分で退出していたなどの事実を明確に立証することが可能です。また、スタッフの勤務実態を複数日比較調査することで、習慣的な勤務不正や特定の利用者への偏りといった構造的な問題にも気付くことができます。さらに、調査結果は裁判や行政指導の際にも活用できる報告書形式で提出され、説明責任や改善対応を適切に進める根拠となります。事業者としては、調査によって虚偽報告を防ぎ、優秀なスタッフを公正に評価し、問題ある勤務態度を早期に是正することができるのです。こうした調査は、ご家族やケアマネジャー、地域関係者からの信頼回復にも直結し、在宅医療の質を安定的に維持する上で大きな効果を発揮します。

 

 

探偵調査の有効性（例）

利用者とその家族の信頼を守るには、“記録”よりも“実態”の確認がカギ

専門家へご相談ください

在宅医療サービスでは、スタッフの訪問やケア対応が利用者とその家族の安心を支える大きな柱となります。しかし、いくら記録が整っていても、それが現場の実態と一致していなければ、信頼関係は簡単に崩れてしまいます。特に近年は、訪問記録システムやGPSを導入していても、「予定より早く帰っている」「本当に必要なケアがされていない」といった声が寄せられるケースが増加しています。こうした状況に対して、社内対応だけで事実を把握するのは限界があります。そこで重要になるのが、第三者による中立な調査です。探偵調査を活用すれば、訪問ルートや滞在時間、ケアの有無までを映像と記録で正確に把握でき、信頼性の高い証拠として関係者への説明にも活かせます。スタッフの勤務状況を公正に評価する資料としても有効であり、問題のある勤務実態を放置せず、早期に是正することも可能になります。また、調査によって実態が問題なかった場合でも、第三者の記録があれば利用者や家族の安心感を得ることができます。在宅医療の信頼を守り、サービスの質を維持・向上させていくためには、定期的な実態把握と、必要に応じた調査の導入が今後ますます重要な経営判断となるでしょう。信頼されるサービス提供のためにも、調査という選択肢を積極的に活用していくべきです。