倒壊リスクのある空き家の所有者と連絡が取れない…|自治体職員による探偵利用事例

空き家が危険なほど劣化しているのに、所有者の所在が分からず、行政判断が止まってしまう──この状況は決して珍しくありません。登記名義が古いまま更新されていないケースでは、公開情報だけでは「誰に正式に連絡を掛けるべきか」がわからず、内部稟議も前へ進みません。一方、職員が自力で近づいて外観確認を試みることには、物理的な危険や法的なリスク、通常業務の圧迫などの問題が伴います。本記事では、近隣住民から「空き家が倒壊しそうだ」との相談が寄せられたものの、登記簿上の所有者とは連絡が取れず手続きが止まっていたため、自治体職員が探偵に相談した事例をご紹介します。探偵調査を併用し、「連絡可能性のある候補」を現実的な範囲まで整理することで、止まっていた案件を次の手続きへ動かせたケースです。
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【この記事は下記の方に向けた内容です】
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所有者不明で止まる倒壊リスク空き家への対応事例
倒壊リスクの高い空き家の所有者が死亡、相続人もわからない…|自治体職員(40代男性)からの調査相談
住民の不安の声…現在の所有者につながる連絡先を知りたい
近隣住民から「強い風が吹くと外壁がバタつき、今にも倒れそうな空き家がある」と通報が入りました。現場を確認すると、外壁材の一部が浮き、車道側に面した箇所は角材が見えるほど劣化していました。行政として所有者に連絡し、改善指導を進めたいと考えましたが、登記事項証明書に記載されていた名義は数十年前のまま。照会したところ、当該名義人はすでに死亡しており、どの相続人が「現に管理権限を持っているのか」までは、行政側の資料だけでは追いきれませんでした。相続未登記の可能性が高く、現オーナーにつながる連絡可能者を確定できないのが現在の問題です。そこで、公開情報と現場情報に基づき、連絡可能性の高い候補を現実的な範囲まで絞る調査をお願いできないでしょうか。

空き家の所有者不明問題とは
倒壊リスクがあるのに、連絡先が不明で前に進まない
少子高齢化や相続未登記の影響で、古い名義のまま誰も実質管理していない空き家は、珍しい存在ではなくなりました。外壁材の浮きや屋根の破損があっても、現在の所有者や連絡可能者が突き止められなければ、行政は正式な指導・通知に踏み込めません。結果として、危険性が目の前に存在しているにもかかわらず、改善のスタートラインにすら立てず事態が止まる──これが所有者不明の廃屋が生む最大の問題です。倒壊リスクがあるにもかかわらず、誰に連絡すべきかが不明のまま放置される。こうして、住民も行政も一歩が踏み出せない状態が続いてしまうのです。
問題を放置するリスク
倒壊の可能性が見えていても、所有者や連絡先が不明のままでは行政は法的手続に踏み込めず、改善することができません。そして時間が経つほど、劣化は進んでいきます。その結果、周囲の生活環境にも静かに悪い影響が積み上がっていきます。
外壁の浮きや屋根材の腐食は、季節の温度差や雨風で確実に進行します。補修可能なレベルだった損傷が「全交換・全面修繕」レベルへと一段跳ね上がり、後追いのコストや手続きが重くなる傾向があります。
風の強い日や台風時、外壁片が道路・歩道側に落下する可能性は時間の経過ごとに高まります。最悪、通行人や車両へ物理的な危害につながるリスクも否定できません。
内部が暗く、換気もされないまま放置されると、湿度がこもりやすくなります。害虫や小動物が侵入しやすくなり、隣接住宅への二次被害(夜間騒音・侵入・糞害)につながりやすい状態を作り出します。
「危険な建物が近くにある」というだけで、周辺の住み心地・売買想起・入居意欲は下がります。買い手・借り手がつきにくくなり、地域全体のイメージ低下にもつながります。
連絡可能者が特定できない限り、行政は正式な通知や指導に進めません。つまり「時が経てば自然に解決する」ことはほぼなく、むしろ「動けないまま被害だけが増す」悪循環が固定化します。
自治体側でまずできる自助的な対応
現場の危険性を把握していても、所有者・連絡先が特定できない段階では、いきなり外部委託に踏み切れない自治体も多いかもしれません。ただ「現場が危ないかもしれない」だけの印象では、予算化も内部稟議も通りづらいものです。そこでまずは、自治体側で無理なく着手できる事実の積み上げが有効になります。それは調査というより、後から第三者に手渡せる状態の整理 です。ほんの数項目の事実の積み上げだけで、次の一手の選択肢は一気に広がります。
自治体側でできる対応
- 現況の「定点」写真を残す:敷地外の公道から、同じ立ち位置・同じ方向で月次、季節ごとに撮影。変化が線で示せるだけで内部説明の通りが変わります。
- 行政内で把握済み情報を一度まとめて整理する:危険空家、固定資産税、建築安全など、担当課ごとに散らばっている既存情報を明確化します。既に判明している事実と、まだ判明していない空白部分を可視化することで、「新たに調べるべき範囲」と「調べなくてよい範囲」が線引きでき、無駄な探索を減らせます。
- 住民からの通報ログの形式化:口頭相談で終わらせず、日時・天候・どこから見て危険を感じたかだけを定型で受け、件数を数字に変えておきます。
- 既存の公示・官報・広報紙の確認:相続放棄・破産・死亡記事など公開情報だけでも、名義、線の可能性の「あり・なし」がざっくりと絞れます。
自己解決のリスク
自治体側が「自分たちの手だけで、もう少し情報を掘れるのでは」と考え、個別に近隣へ聞き込みを行ったり、危険箇所を至近距離で撮影しようとする行為は、かえってリスクを高めます。私有地に一歩でも踏み込めば、たとえ安全確認のつもりであっても不法侵入として扱われる可能性がありますし、相続関係者の推定につながりそうな「プライベート領域の情報」を、住民票や戸籍の取得などで独自に深掘りすることはできません。また、現場の 劣化が進んだ危険空家は、外壁や屋根材が不意に落下する可能性も否定できず、近距離での観察そのものが危険を伴います。「自分たちだけで何とかしよう」 と動くほど、法と安全のラインを踏み外しやすい──ここが、自己解決で最も注意すべき点です。
行き詰まった状況を動かすための第三者調査の有効性
登記簿や公示資料だけでは手がかりが薄く、現場の危険性が目に見えているのに手が出せない──そんな状況で有効なのが、第三者としての探偵調査です。探偵は違法行為を行わず、公開情報の精査と現地での安全な観察を組み合わせて「連絡可能性のある線」を整理します。具体的には、登記情報の履歴確認、公的公告や過去の報道の照合、現地外からの定点撮影、周辺住民への任意の聞き取りといった手法で、行政の資料だけでは見えにくい人と場所のつながりを浮かび上がらせます。その結果得られるのは、単なる感覚的な危険表示ではなく、行政が次の手続きを進めやすい「時系列と根拠のある報告書」です。誰が名義人として登記されているか、最終的にどの相続系統にたどり着き得るか、現況としてどの箇所が特に危険か、といった情報が一つの文書でまとまれば、担当課内の判断や外部委託の稟議も通りやすくなります。また、探偵調査は安全面のリスク低減にも寄与します。自治体職員や近隣住民が危険箇所へ近づいて直接確認する代わりに、敷地外からの観察や周辺情報の収集で必要な事実を確保できれば、不慮の事故や法的トラブルを回避したまま事態の整理が可能です。ただし重要なのは、探偵が行う調査は「合法的な公開情報と正当な聞き取り」に限られるという点です。住民票・戸籍の不正取得や私有地への無断立ち入り、強引な聞き取りといった越権行為は行わず、必要に応じて行政と連携しながら調査範囲と目的を明確にすることが、最も効果的で安全な進め方です。
探偵調査の有効性
登記・公示情報・現地の外観記録・任意ヒアリングなど、合法的な公開領域を組み合わせて、行政資料では途切れている今の連絡先に近い候補を抽出できます。
感覚的な危険表示ではなく、時系列・発生地点・劣化状態の根拠が一枚に揃うため、内部決裁が通りやすくなり、手続が「止まる」状態から動かしやすい状況になります。
外観観察・定点撮影などを専門側が行うことで、物理的な事故リスクや、法的ラインを踏み外すリスク(無断立入り等)を回避しながら必要な事実だけを確保できます。
利用できる探偵調査サービス
近隣トラブルにおける環境被害の証拠収集とは、近隣住民どうしの間で発生している問題を確認し、解決に向けて必要な事実を客観的にそろえるための調査を指します。今回のような空き家トラブルでも、自治体が現場の劣化状況を把握したり、現に連絡が取り得る所有者側の情報を集める目的で実施されることがあります。
今回の調査内容とかかった費用
自治体による「空き家の連絡可能者」絞り込み調査
今回の案件では、登記に残っていた名義が古く、行政側の資料だけでは 「現在の連絡可能者」 が特定できない状態でした。そのため、登記事項証明書に基づく名義履歴の確認を起点に、官報・公示・新聞などの公開情報を照合し、併せて公道からの外観観察と定点撮影を行い、危険箇所の変化を時系列で整理しました。また、任意回答に限った周辺住民からの聞き取りも安全に実施し、複数の情報を統合してもともとの所有者について、行政が正式に照会を掛けるべき連絡先候補を、現実的な範囲まで絞り込むところまで整理。最終的には、内部決裁にも転用できる形式で調査報告書を作成しました。
今回の事例における調査概要
- 調査内容:該当建物の外観観察・定点撮影+所有者に連絡しうる人物の連絡先候補の整理+報告書作成
- 調査期間:4週間(実働25時間)
- 調査費用:40万円(税・経費別)
調査士会から
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